持仏堂
JIBUTSUDO
[ Map# 26 ]
法多山の歴代住職の位牌が眠る
安政年間に建立された持仏堂。
幕末に建立された旧正法院であり、現在では持仏堂と呼ばれております。内部には法多山の歴代住職の位牌や、秘仏である不動明王(非公開)がまつられているお堂です。
本堂に向かい法多山の参道を進む左手の山に沿ってたたずんでいるのが持仏堂です。

この建築物は、江戸時代、法多山に数多くの寺院があった頃に、「正法院」と呼ばれたお寺でした。

安政年間(1855年~1860年)の建築物であり、幕末の時代に建てられたもので、現在では持仏堂と呼ばれています。

「持仏堂」とは、本堂とは別にお坊さんが拝む為の仏様が置かれる場所を指します。
法多山では、一般の方が広く参拝する為の施設が本堂などであるのに対し、住職やその一族が仏様を拝む、一般家庭での仏壇的な意味合いを持つお堂としています。

持仏とは、オフィシャルではなく、プライベートな仏様という意味合いで、古来、帝、貴族、武将などは自分の仏様を持っていました。

法多山の持仏堂はある種プライベートなお堂とも言えるかもしれません。こちらには法多山の歴代の住職のお位牌も一緒におまつりしています。

持仏堂の本尊は不動明王であり、旧正法院に残された、弘法大師さまが彫ったと伝わる不動明王像です。このご本尊は秘仏であり、今後も公開予定はありません。
法多山尊永寺本坊持仏堂天井画「百蟲図」

法多山をはじめとする小笠山に生息する昆虫100種を日本画で描いたもので、「虫尽くし」の天井画は古今東西を探しても此処にしかない唯一無二のものです。
「百蟲図」の作者は袋井出身の日本画家、只内寿則先生であり、只内先生は、東京藝術大学大学院美術研究科日本画修士課程修了、在学中は日本画の大家、平山郁夫氏に師事し、平山氏とともに敦煌莫高窟の壁画修復事業にも携わっています。また院展入選をはじめ数々の賞を受賞、日本美術院院友の画家です。
構想4年制作2年の歳月をかけられた大作であり、2020年6月に完成しました。日本画の岩絵の具を用いて約四十五センチ四方の板に直接描かれた作品です。
通常では一般公開はしておらず、特別に年に数度の一般公開日を設けております。日本画としての優美さはもちろん、江戸時代の『栗氏千蟲譜』に連なる図譜としての細密さで描かれた天井に飾られた虫の絵は見る者の心をうち、また、小さな命のありがたさを私たちに教えてくれます。
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