そもそも高野山真言宗では、密教の教えを色濃く残し、毘沙門天や弁財天などを例に挙げるまでもなく、ヒンズー教の神であったものを仏教とその信者を守護する護法神とし、多くの神々を信仰の中に取り込み敬ってきました。
それと同様に、古くから、日本のその地にあられる土地の神も、仏教を理解し守ってくださるとし、寺院の中でその土地神を敬いまつることは珍しい事ではありません。
高野山真言宗の本山である高野山でも、高野明神という女神と狩場明神という男神がおり、それらが高野山の山の神とされ、今でも高野山に大切にまつられています。
ここ法多山尊永寺でも、この土地、山を治める神様として、白山神社の白山妙理大権現(法多大権現)を大切におまつりしています。
毎年1月7日、約700年前より伝わる「国指定重要無形民俗文化財 田遊祭(たあそびさい)」では、五穀豊穰を祈願する祭の最終に行われる「大弓放ち」と呼ばれる投矢の神事がこの白山神社で行われます。
現在では、白山神社への石段が急傾斜であり、一般のお参りは石段下からお参りすることとさせて頂いています。